農業のマッチングサービス|後継者募集農家と新規就農希望者を繋ぐ

後継者を探す農家と農業に新しく参入を希望する個人や法人。この両者をマッチングする取り組みが民間・行政問わず盛んに行われています。

この記事は農業分野に参入を検討している方はもちろん、参入すべきかどうか業界研究をしてみたいという方に特におすすめです。民間の農家マッチングサイトに登録してみるだけで、農家のリアルな声や課題感、マクロで見る農業業界について知ることができます。

また、都道府県ごとの農業に対する取り組みや力の入れ具合、情報の見せ方は農業分野でチャレンジしようとする企業にとってはビジネスのヒントがたくさん転がっているはずです。

民間の農業後継者マッチングサービス

農mers

農mersとは、マイナビ農業が運営する無料のスマホアプリです。担い手不足や人手不足に困っている農家と農業を少しやってみたい、始めたい人を繋げるマッチングアプリとして話題になっています。

アプリでは種まきや苗の管理など、さまざまな農業の作業を手伝ってくれる人を募集しています。求人したい農家は、仕事内容や期間、場所や報酬を登録して募集できます。農業を始めたい人は、プロフィールや持っているスキルを登録して求人を探すことができます。条件の合う農家が見つかったらチャットを通して連絡を取り、実際に仕事が始められる、といった流れが画期的です。

メリットは、誰でも無料でカンタンに始められることです。募集する側も応募する側も、手数料などが一切必要ないため興味を持ったらすぐに活用できます。それ以外にも、条件に合わせた働き方を選ぶこともできます。中には平日に会社員として働き、週末に農業を手伝うといったライフスタイルを選ぶ人もいるようです。農家と直接やり取りをするため、希望する条件なども相談しやすいでしょう。

デメリットは、場合によっては希望する条件の募集が無いことです。一部の情報通の農家にしかサービスが知れ渡っていないのかもしれません。住んでいる地域によっては、通える範囲の農地で募集が無いこともあるでしょう。条件の合う募集が見つかるかどうかは、タイミングに左右されます。また、仲介サービスがなく直接チャットでやり取りを行うため、返事が遅いことや中々話が進まないこともあるようです。無料なので気軽に始めやすいですが、思うように結果が出ない時は他の方法を検討するのも良いでしょう。

まだまだ発展途上のサービスのため、改善点はたくさんあります。このサービスを皮切りに、第二第三の農家-農家見習いマッチングアプリが出てくると良いですね。

あぐりナビ

あぐりナビは、農業や酪農、牧場の求人情報を掲載しているWEBサイトです。農業の求人数は国内最大級で、日本全国のさまざまな農業に関する求人が掲載されています。求人の他にも、履歴書の書き方や面接の対策のサポートを行っています。また、インターンシップや就農農談会などの各種イベントも開催しているので、本格的な就農活動をサポートしてくれます。

あぐりナビの最大のメリットは、就農活動をするためのサポートが充実していることです。あぐりナビでは専任アドバイザーがいるため、求人を紹介してくれたり、就農活動の相談に乗ってくれたりします。

デメリットは、電話が多いと感じる人もいるようです。サポートが充実している分、電話連絡も頻度が多くなるのかもしれません。手厚いサポートを求めている人には、おすすめのサイトといえるでしょう。

AGRI GATE

AGRI GATEでは、さまざまな形で就農のサポートを行っています。

サポートの種類は主に3つあります。

  1. 新規就農者育成プログラム
  2. 就農サポート
  3. 第三者経営承継

まず1つ目は新規就農者育成プログラムです。これは農家になるための2年間の研修プログラムで、受入先の農場で仕事を学ぶことができます。農家として独立するうえで必要不可欠な土地・資金・栽培技術・販売先のサポートをしてくれるため、非農家の新規就農希望者にとってはとても頼れる存在ですね。

2つ目は就農のサポートです。ここでは農業法人や大規模農家の求人を紹介しています。紹介している農場は関東地方がメインなので、首都圏に住んでいる人も就農しやすいでしょう。

最後の3つ目は第三者経営承継(事業承継)です。これは後継者のいない農家と就農を希望している人をつなげる、人材マッチングのサポートです。第三者経営承継で農地を譲り受けると、農業の資源を承継できるため初期投資がほとんど必要無いこと、従業員や親族への承継と違い、ある程度資本力を持った人・法人に事業を渡すことができるといったメリットがあります。

BATONZ(バトンズ)

BATONZ(バトンズ)は、国内最大手M&A仲介会社、日本M&Aセンターの関連会社です。製造業や飲食業をはじめ、さまざまな職種のM&Aを取り扱っていますが、その中には農業もあります。農業のM&A案件は時期によりますが10件から25件ほど。大手もM&A会社が農業分野にも着手しているということで、農業M&A市場はますます大きくなっていきそうですね。

BATONZに掲載されている農家(農業法人)の売上規模は1000万円から10億円ほど。譲渡の希望額はおよそ300万円から1億円までの幅があります。

野菜農家だけではなく、果樹や畜産、観光農園といったさまざまな経営体の案件が掲載されています。

このサイトを利用するメリットは、とにかく手数料が安い!ということです。M&A業界の仲介手数料は3%~5%といわれている中で、BATONZは2%。また、成約まで要する期間は平均3.5カ月というとても短いというのも強みです。売上1億円以上の企業しか掲載できないという制約のある他サイトと異なり、売上数千万円規模でも掲載できることからM&Aを気軽に感じられますね。

都道府県の農業後継者マッチングの取り組み

都道府県毎でも、農業後継者マッチングを促す取り組みが行われています。

取り組み例

  • 岐阜県:一般社団法人 岐阜県農畜産公社
  • 熊本県:ひのくにねっと 熊本県農業会議
  • 茨城県:茨城県農業参入等支援センター

岐阜県の「一般社団法人 岐阜県農畜産公社」では、農業経営継承事業という事業があります。

地域を支えてきた優れた農業経営者が後継者を見つけることができず、引退していく一方で、新規就農を志す方も年々増えてきています。この両者をマッチングするだけではなく、研修や実践を通し、スムーズに事業承継できるような取り組みを行っています。

熊本県では、県内の農業をサポートする事業として、「ひのくにねっと 熊本県農業会議」があります。就農のサポートや農業に関する経営相談をはじめ、行政が農業にとても力を入れていて手厚いサポートが受けられる県として、農家の間では有名です。もちろん、後継者問題にも力を入れています。熊本県農業会議のホームページを見てみると、事業承継に関するPDFが3種類、県内の移譲望者農家リストが市ごとに公開されているという充実っぷり。熊本県内でも産業として重要な位置づけにある農業。おそらく、47都道府県の行政で一番力を入れているのではないでしょうか。

茨城県では、「茨城県農業参入等支援センター」が第三者の事業承継を支援しています。ここでは、農業参入・経営発展に意欲のある方を積極的に探し、農地情報の提供だけではなく、税理士や司法書士といった士業の専門家、JA、商工会、県・市町村ら農業経営支援の専門家チームを派遣するといった特徴があります。上記2つの県と違い、どちらかというと法人の参入に力を入れているようです。

まとめ

多くの業界で後継者問題の手段として選択されるM&A。「後継者マッチング」というキャッチーなワードで農業界にも次々と仲介する企業が参入してきています。

▼「農業のM&A」に関する参考記事はこちら

企業の農業参入と注目される参入手法について

農業・農家のM&Aの現状とメリット、注意点

どのサービスも共通して言えることは、M&Aに対するハードルを下げ、比較的気軽に検討できるということです。民間企業が積極的にサービス展開をし、行政も熱量をもって後継者不足という問題に取り組んでいますが、まだまだ課題もあります。それは後継者を募集する農家と新規就農を希望している方を集めることがサービスの肝になっているが故に、仲介やサポートの部分は未知数ということです。売りたい人と買いたい人をマッチさせることがゴールなのではなく、あくまでもその先の未来として、売った後の豊かな余生や買った後のビジネスの発展がゴールになります。

今回は様々な取り組みをご紹介しましたが、「売り買い自体がゴールなのではなく、売買したその後が本当に重要なポイントである」という視点を忘れないで頂きたいと思います。

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