親子で農業を事業承継するメリットと難しさ

はじめに

この記事では、親世代から営農を引き継ぐことを考えておられる方へ向けて、家族間での営農事業承継についてメリット難しさを見ていきます。

事業承継には、継ぐ側・継がれる側が考えているよりも多くの”やるべきこと”が存在します。過去の経営者が築き上げてきたものを確実に引き継ぐには多くの時間を必要とします。「準備に5年、継承後の見守りに5年」と、計10年かかると言われるほどです。

まずは親から営農事業を譲り受けることのメリットと難しい点のそれぞれを熟考し、事業承継の準備を進めていきましょう。

親子事業承継のメリット

親元就農には次のようなメリットがあります。

初期費用が抑えられる

通常、就農するためには農地の取得、農機具の購入、栽培施設の建設など多額の費用が必要になります。たとえば、一般社団法人全国農業会議所全国新規就農相談センターの『新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成28年度-』によると、新規就農者が就農1年目に費やした機械・施設等への費用は平均411 万円でした。

ご家族から営農を受け継ぐ場合はこういった多額の初期費用が発生せず、経済的に有利な状態で就農することができます。

営農技術を一から十まで教えてもらえる

新規就農者が苦労する大きな要因のひとつに、営農技術の習得があります。これには作物の栽培技術はもちろん、販路の確保など経営的な技術も含まれます。

こういった技術の指導を、長年農業に携わってきた先輩である親からいつでも受けられるのは、大きなメリットです。

人間関係をゼロから作らなくて済む

営農は土地に根ざした事業であるため、同じ地域に住む周囲の人々との関係性が重要です。「〇〇さんの息子/娘」といった顔の見える存在であることは、地域で信頼を得るうえで有利に働きます。

また、誰が引き継ぐのかという議論になった時に周囲の納得が得やすいため、事業関係者との揉め事を回避する事ができます。

長期的な経営判断ができる

このように、親子間での事業承継では土地や農機、施設といった「目に見えるもの」だけではなく、栽培技術や販路、地域での信頼など「目に見えないもの」も受け継ぐ事ができます。

そのため、営農の中で急な経営判断を求められることが少なく、家族のライフプランを考慮に入れた長期的な経営判断ができる、といえるでしょう。

経済的にも精神的にも、安定して農業を始めやすいのではないでしょうか。

親子事業承継の難しさ

事業承継は誰もが初心者

事業承継は親にとっても子にとっても、初めての経験となります。

承継の進め方、計画の立て方、具体的なステップについて何をどんな順番ですればよいのか分からないのも当然です。

感情的になってしまう

いざ話し合いを始めても、親子だからこそお互いに感情的になってしまい、意見の食い違いによって話がまとまらないこともしばしばあるでしょう。

後継者となる子は「親のやり方は古い」「こんな事業は継ぎたくない」と感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし現在の営農事業は、農地を先代の経営者が開墾し、水路を整備し、土づくりを積み重ねてきたからこそ存続してきたものです。

これからの農業経営をより発展させるには、「先代の知識や経験」と「後継者の既成概念に囚われない発想」の両方が必要です。

今まで農業を続けてきた親に敬意を持って、話し合ってみましょう。

先代である親は「一丁前に口出しするな」「仕事は見て覚えろ」と感じてしまうかもしれません。

親にとって子は何歳になっても子供であり、頼りなく見えるものです。しかし、子には子の考えや葛藤があります。

意見の衝突は、「継承後に生活していけるのか」「自分に農業ができるのか」といった不安から引き起こされている場合も少なくありません。事業のバトンタッチをおこなう後継者として、支えてあげましょう。

また、信頼できる第三者を交えて話し合いを行うことも話し合いを進める上では非常に良いでしょう。

まとめ

親子での営農事業承継には、一般的な新規就農と比較して多くのメリットがある一方で、親子だからこそ向き合わなければならない課題や難しさがあります。

先代の親と後継者の子、双方が納得できる幸せな事業承継を実現したいものです。

時間を取って話し合いの機会を作り、お互いに率直な意見を出し合う・相手が不安に感じていることを受け止めるよう心がけましょう。

参考

一般社団法人全国農業会議所全国新規就農相談センター『新規就農者の就農実態に関する調査結果-平成28年度-』

全農営農販売企画部TAC推進課『今すぐ始めよう!事業承継ブック~親子間の話し合いのきっかけに~』

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