事業承継の具体的な手順、5ステップ

この記事では事業承継の具体的なステップについて、5段階に分けてご紹介します。

「このステップは行っている」「すでに共有している」というステップについては飛ばして構いません。

事業承継の主体は「子」です!事業承継の各ステップにあたっては、子が主体的に取り組んでください。

STEP① 事業承継計画を立てる上でのルールを確認する

事業承継計画書を作る前にまず、冷静かつ建設的に議論できるように話し合いのルールを作っておきましょう。必要に応じて途中でルールを加えたり減らしたりしてください。

ルールに対して相互に合意できない場合は「どういう条件項目であれば合意できるか」まで細かく話しあって見ましょう。

ルールの例

  • お互いにはっきりと意思表示をし、意見を尊重しあうこと
  • 後継者である子を中心として事業承継に取り組むこと
  • 親は理解者、サポーターに徹すること
  • 感情的にならず冷静に話し合いをすること
  • 話し合いの経過は、後から見返すことができるよう記録を残すこと
  • 話し合いは、お酒を飲んでいない時におこなうこと
  • 安易に妥協をせず、納得がいくまで話し合いをおこなうこと
  • 結果として事業を継がないという判断に至った場合も、その決定を尊重すること
  • 話し合いには、必要に応じて第三者を交えること
  • 毎月第3土曜日13:00~14:00に開催すること

STEP② ライフプランを立てる

家族全員が自分のライフプランを見直し、「現在」「1年後」「2年後」…「10年後」と表を作成して記入します。

表にいつ、何が起こって、どれくらいのお金が必要なのかを明確に記入するようにしましょう。自分だけのことを考えるのではなく、視野を広げ、世帯全体のことを考えることによって、実感を持った現実的な話を冷静に話すために必要なことです。

また、お金に関しては厳しめに見積もってください。ここでは結婚、新居購入、出産など日常生活に関わる事のみ記入します。農業に関わる、機械の購入費用や収入についてはステップ4で行います。

STEP③ 経営の実態を把握する

以下①~⑪の要素について書き出しましょう。

特にお金に関する項目は事業承継の中でも大きな部分です。青色申告の決算書や共済(保険)証書などを手元に置いて、できるだけ正確な金額を記入できるようにします。

項目記入例
①経営耕地面積品目、自作地、借地
②現在の作付作物作物名、作付面積、販売先、売上、経費
③農業経営収支粗収益、経営費、農業所得、金額
④補助金・助成金等補助金名、金額
⑤資産等預貯金額
⑥共済(保険)人、家、車別の共済、金額
⑦借金・ローン等融資先名、金額
⑧労働力家族雇用数、常時雇用数、定植時や収穫時の臨時雇用数
⑨生産資材購入先資材項目、購入先、担当者名、連絡先
⑩機械装備機械装備名、購入年度、取得価格、稼働年度、購入先
⑪施設設備施設装備名、購入年度、取得価格、稼働年度、購入先

※デジタル遺産といわれる暗証番号、パスワード、ID等も確認をしましょう。

STEP④ 事業承継タスクを整理する

事業承継のポイントを分解すると「人間関係」「モノ」「お金」「情報」「顧客」の5要素になります。

これらを引き継ぐ際に実際に取り組むこと(事業承継タスク=やることリスト)を考えましょう。

リストアップできたら、各タスクをいつまでに達成するか決めましょう。

やるべきことやいつまでに達成できそうなのかが分からない場合は、親の助言を参考にしましょう。

STEP⑤ 事業承継計画を作成する

経営理念を考える

事業承継をするということは、農業経営者になるということです。そのためには経営理念は必要不可欠です。

経営理念には「なぜ農業を継ぎ」「何のために農業を営むのか?」の問いに対する答えを盛り込むと良いでしょう。

また、ミッション・ビジョン・コアバリューの三つの要素を組み合わせた経営理念を持つようにしましょう。

  • ミッション(存在意義、使命)
  • ビジョン(目指す姿、ありたい姿)
  • コアバリュー(価値観、行動基準)

事業承継の目標を定める

事業承継をいつまでに完了させるのかを考えましょう。

目標の例

  • 「親が、65歳で定年退職する10年後までに、専業農家として段階的に承継する」
  • 「35歳で結婚するまでに、兼業農家として承継を完了させ収入を安定させる」

など、年齢や節目となるイベントなどを目安として、事業承継期限を設定しましょう。

家族経営の場合は事業承継目標期限を誰かに言われて決めるのではなく、あくまで家族で決めるしかありません。

目標が立てられたら、実際の計画を作成します。

◯haの作物を栽培し、◯円分の売上を出す。などを表に記入しましょう。さらに、◯円分の売上を出すためにやるべき事を月別に記入しましょう。

見落としがちなのが、専業農家なのかそれとも兼業農家なのかということです。特に兼業農家の場合は農業と本業のリソースの配分まで考えましょう。

 

事業承継は1~3年目が短期、4~7年目が中期、8~10年目が長期と言われています。前半の1~5年目が勝負の時期です。

やるべき事といつするのかはできるだけ明確に記入しましょう。とは言え、5~10年目のならし運転期の計画も事業承継後に関わってくるので大切です。

参考

全農営農販売企画部TAC推進課『今すぐ始めよう!事業承継ブック~親子間の話し合いのきっかけに~』

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