土地と技術だけではない。農業の事業承継で引き継ぐべき5つのこと

農業における事業承継は、単なる「技術や土地、財産の承継」に留まりません。

後継者に作物を栽培する技術があり、栽培する環境が整っていたとしても「人間関係」「モノ」「お金」「情報」「顧客」の5つの項目がしっかりと承継されていなければ、安定して農業を続けていくことはできないのです。

この記事では、これから親の農業を引き継いでいく後継者の方へ向けて、農業の事業承継において引き継ぐべきこれら5つのポイントを、「目に見えるもの」「見えないもの」の両面から確認していきます。

事業承継には「目に見えるもの」と「目に見えないもの」がある

目に見えるもの

①モノ(農地、農業機械、農業設備など)

事業承継で後継者が受け継ぐ代表的なものに、物理的な資産があります。

まずは、親の所有する土地や農機具、施設について把握しましょう。

また、農機具や設備は使いこなしてこそ価値を発揮します。自分一人で扱うことができ、簡単な修理やメンテナンスまでできるようになりましょう。

②お金(現金預貯金、契約書、共済・保険など)

後継者としては、現在の事業にどのくらい収入があり、そもそも儲かっているのか?などが気になる部分です。

しかし、営農事業と生活費の通帳が一緒で一括管理している場合もあるため、子細な金額がはっきりしないという家族経営の営農者も少なくありません。

金銭的な不安があると、事業を引き継ぐ決断を尻込みしてしまうのは当然のことでしょう。

現在の営農事業におけるお金の流れを確認し、承継後にしっかりと生活できるか試算することが重要です。

また土地や施設の契約書、加入している共済や保険も、経営に関わる重要な要素です。

事業に関してどういった契約関係が存在しているのか、はっきりさせておきましょう。

営農では資金の借り入れが必要になる場面もあるでしょう。

事業承継の際には各契約の名義も後継者が引き継ぎ、いつでも後継者が自分の名義で借金ができる状態にしましょう。

目に見えないもの

③人間関係

農業は取引先や地域の人々との関係に基づき成り立っています。これら、親が作った人間関係を引き継げることは、子にとって大きなメリットになります。

親が持つ人間関係を把握して、自分もそこに参加していくことが必要です。

地域で折衝が必要になった場合に、後継者の顔だけで行えるようになっておきましょう。

新たに従業員を雇用する場合、後継者がその採用活動を担うことが望ましいでしょう。

また、事業承継後も先代である親に意見を求めたい、力になって欲しいと思うタイミングがあるかもしれません。

何よりも、これまで営農をおこなってきた親に対して尊敬の念を持つことが大切です。

④情報

営農には必要な専門知識が多く、その多くは簡単にネットで調べることができません。

農業の基礎を、先輩生産者である親の近くで学べることは、親子で事業承継をおこなうメリットの一つです。

農地によって日当たりや水はけ、地下の土壌といった特徴も異なります。調べた情報が自分の農地・作目において必ず正しいと言えるわけではありません。

これまでその土地で栽培をしてきた親から得られる情報は重要になります。

さらに、現状の経営でうまくいっている点・課題となっている点を共有し、うまくいっている要因・課題を解決するための施策を考えましょう。

営農を開始した経緯や事業の沿革など「我が家の農業ヒストリー」といえるものを親から聞き、過去のケーススタディから学ぶことも良いでしょう。

農業分野でも常に新しいビジネスモデルや作目、栽培技術が登場しています。

農業の基礎知識・ノウハウと、事業の現状をしっかりと先代である親から学びつつ、農業経営を持続できるよう日々情報収集することが大切です。

⑤顧客

新規顧客の獲得には多くのエネルギーと販売コストがかかるため、既存の顧客の存在は大きなメリットです。

生産者としての信用やブランド力がある場合は、これら事業の土台を広げることができます。

顧客リストそのものだけでなく、顧客からの信頼も引き継げるようにしましょう。

まとめ

ここまで見たように、事業承継で引き継ぐものには「モノ」「お金」「人間関係」「情報」「顧客」の5つがあります。

実際の承継においては、5つの要素の中身を具体的に書き出してリストアップし、一つ一つについて引き継ぐための方法・手続きを策定し、「いつまでに引き継ぐ」という期間の目標も立てましょう。

ここで挙げた各項目は、急に引き継ぐことが難しいものばかりです。

しっかりと計画を立てて準備し、確実に事業承継できるようにしましょう。

参考

全農営農販売企画部TAC推進課『今すぐ始めよう!事業承継ブック~親子間の話し合いのきっかけに~』

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